ブロー液を調整しました。
ブロー液とは、19世紀に考案された難治性の中耳炎を治療する13%酢酸アルミニウム液です。なんでも、抗生剤でも無効な難治性の中耳炎を9割方治してしまうらしい。
起炎菌がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)でも、ペニシリン感受性肺炎球菌でも、緑膿菌とか、真菌とかでも?
はい、9割方治るらしい。
それって、スゴイっ!
アタシは、耳鼻科の門前薬剤師。門前の先生から「作って」と頼まれました。
え? 売ってないの? 売ってないらしい。
作らないと無いらしい。
実は、アタシは3代目の管理薬剤師なのですが、過去の二人の薬剤師には、断られたそうです。
門前の耳鼻科医師のオーダーは下記の通り、
電気計器のインストール方法
① 無水硫酸アルミニウム22.5gをガーゼで包んで100mlビーカーに入れ、精製水65mlに24時間浮遊させる。
② ①を濾過し、精製水で再び全量65mlとする。
③ 炭酸カルシウム10gを乳鉢上で、精製水10mlにて研和する。
④ ③に②を攪拌しながら徐々に加える。(激しく発泡するので注意)
⑤ 酢酸25mlを加え、時々攪拌しながら48時間放置する。
⑥ 発泡が停止したのを確認し、上澄み液を濾過する。
どのようにトランジスタスイッチをフックアップしない
⑦ これに、酒石酸4.5gを加える。
⑧ 無色透明でpH平均3.67であることを確認する。
はい、これを読んで、前任の二人が断った訳がわかりました。
作るのに3日もかかる。
クリーンベンチがないので、製造過程で「激しく発泡する」作業は無理。
そして何よりも…アルミニウムの粉が水に溶けるのか?
う~ん、3日かけて作って、最終的にアルミニウムの濃度が不十分だったりしたら…全てボツですから。
う~ん、う~ん…どうしたものか?
製造過程を想像して、成功しそうなイメージが沸かなくて…どうしたものかと悩んでいたら…
見つけましたッ
迅速調整ブロー氏液(徳島県の病院スタッフが考案)
材料は、上の写真の通り
塩基性酢酸アルミニウムを使うことで、炭カル不要。
余計な発砲もしない。
大豆の大部分は袋に入れてどのように多くの大豆ユニットです
なにより、沸騰温浴で加温して溶かすので、製剤の回収率がいい17%製剤。
溶かすのに90分で済む。滅菌にもなる。
ちなみに、本来の調整方法だと、時間かかるのに、製剤回収率が3割だなんて…
ブロー氏液の抗菌活性は、アルミニウム濃度によるので…これ重要。
で、門前ドクターにこの方法でよいか?確認したらOKだったので、
棚卸終了後、真夜中に居残って作りました。
迅速調整ブロー氏液の作り方
①塩基性酢酸アルミニウム48.2g・酢酸41.5ml・酒石酸22.5gを精製水400mlに懸濁する。
牛乳みたいです。
②煮沸湯浴中で90分間加温溶解する。
クッションにタオルを入れてあります。アタシの手持ちの鍋と電気コンロ。
保湿美容液みたいにトロトロな感じ
③ほこり避けにガーゼを被せて、ゆっくり自然冷却
この冷却時間が、すんごく長い。
真夜中の薬局で、ひとりでぼぉ~っとしていました。
アタシ…電気さえ点いていれば、恐くないタチです。
④完全に冷えてから、500mまで精製水でメスアップした後、
濾過…濾紙のサイズが小さいッ!↓
なんで使う直前まで気がつかなかったのッ!
仕方なく…20ccくらいづつ慎重に、濾紙から溶液が溢れないように慎重に…
これも時間と根気が要りました。
シロップの瓶を洗浄して、煮沸滅菌して、消毒用アルコールでまわして、
精製水で洗い流したリサイクル瓶に充填。
ラベルを貼りましたが…今年は2011年でしたッ!
間違ったまま耳鼻科に持って行ってしまいましたよ。
残念ッ!
それで、院内製剤を治療に使う場合、患者さまの同意が必要です。
腎臓・肝臓への副作用、アルミニウム脳症とか、アルミニウム骨症とか…
医師からマンガイチ…起こりうる副作用の説明があります。
それに同意していて…あ、
でも、治らなかった中耳炎が9割方治る…って、ホント?
本当に辛い思いをしている人には、いいでしょうね。
週1回10間の耳浴、3~4回で処置終了とのことで、一ヶ月後が楽しみです。
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