近年、電動工具メーカーの海外進出と郊外型のスーパーセンターの台頭で外国製の安価な電動工具が出回っています。あまりコストダウンを追求した電動工具は選ばないでください。実際に使い始めて「しまった!」と感じる瞬間に遭遇します。
作業中にモーターが焼けて代わりの電動工具を買いに走る手間を考えてみてください。
電気ドリル
写真1
電気ドリルといえばモーターの回転力を利用してその回転軸に取り付けられたキリで金属などに穴をあける工具です。とは言ってもその種類は非常にたくさんあります。
まず写真1に示すコンセントに挿して使う一般的なタイプで説明をしましょう。トルクもあり、木材・金属に穴あけをするのに便利です。キリ(ドリルの刃)をくわえる部分をチャックといいます。小さいもので10mmまでの直径のキリがくわえられます。大きいもので13mmや15mmのものがあります。径の大きなキリはチャックでくわえる部分が一段細くなっているものもあり、一概に10mmのチャックだから10mmまでのキリしか使えないということはありません。
さて、モータから横に出ているハンドルは� �右どちらにも付けかえられます。右きき左利きどちらにも対応しています。モーターの後ろのハンドルのレバーを握るとモーターが回転します。レバーの引きしろに合わせてモーターの回転数が可変するタイプもあります。これは特にキリでもみ始めるときに穴の位置がずれないようにするのに有効です。またレバー横のボタンを指で押してロックさせるとレバーがロックされレバーを握らなくてもモーターは回転しつづけます。
チャックの横に反転用のスイッチのついたドリルもあります。
充電式ドライバドリル
コードのついたタイプのドリルはコードを引きずって行かねばならず、コンセントが近くにないような場所では不便です。
写真2
コードタイプのドリルの不便さを解決したのが写真2に示す充電 式のドライバドリルです。電池ですので写真1のドリルに比較してトルクはありません。ある一定の設定トルクに達するとクラッチが切れて空転するように出来ています。空転するトルクはレバーで可変出来るようになっています。家を建てる時に大工さんが木ネジを締めつけるのに使っています。いちいちコードを引き回す手間が不用ですし、建築中の家って電気のコンセントの位置が限定されているというのも大きな理由でしょう。新しく購入する場合はバッテリー電圧の高いもの、さらに充電時間の短い機種を選択することを推奨します。
最近の電気ドリルは回転数の可変できるタイプがほとんどです。可変できないタイプに比較して使い勝手は相当いいです。また充電式のDCモーターを使ったドライバドリルではほとんどの機 種でスイッチの切換で逆転ができます。ビスを抜いたりするのに威力を発揮します。
ハンマー(振動)ドリル
写真3
電気ドリルの中でも強力なドリルがあります。写真3に示すハンマー(振動)ドリルです。ドリルに回転と振動の選択レバーがついています。振動を選択して、コンクリート用のドリルきりをつければ、モルタルやコンクリートに穴をあけることが出来ます。
あなたは、ピューターの金属に何をして磨くのですか?
ボール盤
写真4
電気ドリルに台座と材料を固定するテーブルがついています。ハンドルを回すとキリのついたチャック部分が下降します。テーブルの上の材料はテーブルバイスで固定します。手で持っているとドリルキリの回転力で手を持って行かれることがあります。危険ですので、テーブルバイスで固定する習慣をつけましょう。
ボール盤の方がドリルに比べて大きな力で上から押すことができます。また誰が作業しても垂直に穴があけられます。右手でハンドルを回しながら、左手でバイスを固定して作業します。時折、ドリルキリの先端に切削油をつけてキリを冷却してやればキリが長持ちします。
ワンポイ� ��ト
ドリルきりには用途によってさまざまなものがあります。
最もポピュラーなものはホームセンターなどで販売されている木工用あるいは鉄工用のドリルきりです。これも2mmから10mmまでをセットにして¥298というものから2mmのドリルきり1本で¥300というものまでピンキリです。では何を基準に購入すればいいのでしょうか。
私なりの基準を述べますと、その時必要な寸法のきりを1本か2本出来るだけ高価なものを選んで購入します。ドリルきりの命は材質と焼入れの具合です。高価なものにはそれだけの付加価値があると信じています。先端の焼きがすぐになまってしまうようなキリは切れが悪い分、息が切れます。
トルクのある電気ドリルですと写真に示したような、ホ ールソーを使って大きな穴をあけることも可能です。ホールソーはまずドリルきりで回転の中心となる穴をあけます。それから外輪をやや傾けながら円弧を描くように動かせて大きい穴をあけます。エアコン工事屋さんが使っているのは写真のものより更に口径の大きいホールソーです。
きりの先端に砥石やヤスリのついたものもあります。ルーターといいます。これもドリルきりと同様に安価なものは「安物買いの銭失い」で作業中に砥石が割れたり、ヤスリのめがつぶれたりします。
良いきりを使えば作業はスムーズに進行し、早くきれいにできます。まさに「時は金なり」です。
ページの先頭に戻る
カッター
アングルカッター
アングルカッター
切断砥石
直径30cmの切断砥石をモーターで高速回転させます。モーターの台座にバイスがついていて切断する材料を固定します。切断砥石を回転させながらハンドルを押し下げることで材料を切断します。チョットした材料は材質を選ぶことなく切断してくれます。ただ硬い材料を切断すると砥石が早く磨耗します。写真左側まで磨耗して小さくなると右側の新品の砥石と交換しましょう。
切断する際にかなり火花が飛びます。火花の飛ぶ方向に人のいないことを確認してからにしましょう。安全の為に、防護メガネをする。砥石の側面で材料を研磨すると砥石が破損する危険があります。ですから切断後の材料バリの研磨はベンチバイスで材料を固定して行ないま す。
安ちょこな切断はできますが、材料に角度をつけて切断するような場合は後述のメタルソーを使ってください。
ダイヤモンドカッター
先ほどのアングルカッターの砥石をダイヤモンドチップの刃に交換すればOKです。ディスクサンダーで紹介したダイヤモンドディスクの大きいサイズと理解してもらえば良いでしょう。硬いステンレス材料などを連続して切断するような場合に、これがあればいちいち小さくなった切断砥石を交換する手間が省けます。ただしこのダイヤモンドチップ(ダイヤモンドホイールともいう)は非常に高価です。1枚3万円前後します。
メタルソー
エポキシ樹脂は、どのように動作するか
メタルソー
メタルソーはその名前の通り金属の回転する歯で切断します。歯の取り付けられているベースが90°回転する為に、直角以外に角度をつけて切断できます。先述のアングルカッターでも出来ないことはありませんが、シビアな条件が要求される場合はメタルソーで切断する事を勧めます。
メタルソーはモーターと回転歯の自重で切断するくらいの感じでレバーを押し下げていきます。特に切り始めと切り終わりはゆっくりレバーを下げるように気をつけてください。原則、材料は重ねて切ることが出来ないと考えた方がいいでしょう。
メタルソーは歯を油で冷却しながら切断します。この油は水溶性で水で希釈して使� ��します。ただ長期間たつとゲル状になることが多いようです。冷却油はポンプで循環させて歯を冷却しているわけですが、ゲル状になるとポンプの詰まりの原因になってうまく冷却できません。どうも水の腐りによるのかもしれません。冷却がうまくできないと切れ味も悪くなります。定期的に冷却油は交換した方がよいでしょう。また歯は切れ味が悪くなったと思えば、目立てに出すと切れ味が生き返ってきます。
ページの先頭に戻る
ディスクサンダー
高速回転するモーターに砥石を付けて主に金属を削ったり、磨いたり、切断したりする電動工具です。
砥石が非常に高速で回転します。砥石の回転は3000rpmにもなります。直径10cmの砥石を付けていればスピードは時速60km近くにもなります。材料は出きる限りバイス(万力)等で固定してください。さらに、研磨の際に火花が飛びますから、周囲に人のいないことを確認して使用して下さい。安全な服装で、正しい使い方を心がけて下さい。怪我の元になります。
砥石の種類と用途はだいたい次の通りです。
@ 切断砥石 切断用
A ダイヤモンドカッター 切断用
B オフセット砥石 研磨用
C ジスクペーパー砥石 みがき・仕上げ用
D カップブラシ 錆落とし
@切断砥石
砥石は回転する先端部分です。砥石の表面には研磨剤は塗付されていません。鋼材を
切断する際に使います。アルミ・鉄・ステンレスなどの鋼材を切断するのに使用します。
Aダイヤモンドカッター
切断用の砥石でもこちらはコンクリート・モルタルのような石材を切断する目的で使用します。その名の通り回転部分の円周部分にはダイヤモンドチップが貼りつけられています。写真にある8ヶ所の切れこみはこの中に切断した際に発生する石粉が一時的にたまり、排出されます。@の切断砥石よりも厚さは薄くなっています。ダイヤモンドチップが使われている分高価です。@の切断砥石でコンクリートが切断できないわけではありませんが、すぐに砥石が磨耗して使い� �にならなくなります。
Bオフセット砥石
砥石の回転面に研磨剤が塗付されています。固定金具の部分だけ露出しないように砥石面と固定金具面をずらして作られています。その為にオフセットという名前が付きました。砥石で問題となるのが、砥材・粒度・硬度です。砥材はの記号で表記されています。粒度は粗いほど数字が小さく、細かくなるにしたがって大きな数字になります。硬度はアルファベットで表され、標準的なところがO・PでK・Lに行くに従って軟らかく、S・Tに行くに従って硬くなります。
Cディスクペーパー砥石
ディスクペーパー砥石はサンドペーパーをドミノ倒し状に並べた砥石です。先述のオフセット砥石に比較して目が細かく仕上げ用と考えてください。
Dカップフ� ��ラシ
カップブラシはワイヤーブラシが回転して錆・汚れや塗料を落とすものと考えて下さい。ワイヤーの種類は真鍮・ステンレス・鉄などがあります。
自分でRVは清掃しない
ベンチグラインダー
ベンチブラインダー
高速で回転するモーターの両脇に粒度の異なる砥石が取り付けられています。砥石の手前に材料を載せるテーブルがあります。
材料のバリ取りやドリルキリの研磨に使います。歯の側面は砥石が破損する危険があるので材料を当てたりしてはいけません。ベンチブラインダーも研磨の際に火花が飛びます。防護メガネの着用を忘れないでください。
ページの先頭に戻る
ねじ切り
水道などの配管工事現場で職人さんが使っているのを見かけたことがあるでしょう。一般家庭の水道配管はVP・HIVPといった樹脂配管にとって変わられていますし、最近のプレハブメーカーの家では更に進んでフィレキシブルチューブを使うようになってしまいました。ですから鋼管にネジを切る作業も見かけなくなるでしょう。ただ工場ですと、一般家庭と異なり、水道の水圧も高い場合があります。圧縮空気・蒸気を工場内に送る必要があります。その圧力は7kg/cm*2前後でしょうから、それなりの圧力に耐えうる配管材料が必要になるからです。
ネジきりには3つの工具が装備されています。ネジきりに向かって左側にパイプをくわえるバイスがあります。これは赤い色のリングを手前に勢い良く回すことでパイプを締めつ� ��ます。その隣にハンドルがあります。この先端にパイプカッターが取り付けられています。スイッチを入れてパイプを回転させながらハンドルを締めつけると先端についたカッターによりパイプが切断されます。右端にはリーマが取り付けられています。スイッチを入れてパイプを回転させながらレールの上のハンドルを回すとカッターで切断した時に生じたパイプの内側のバリを取り除いてくれます。
パイプカッター リーマ
ダイス(チェザー)
ここまでした後、いよいよパイプにネジを切ります。ダイスの位置をパイプの寸法に合わせます。写真は1インチから2インチ用のダイスです。上の写真は1と1/4の寸法のパイプにセットされています。
写真の左端に+とーのついたダイヤルがあります。これでネジの深さを調節します。深いネジ山とする場合は+にまわします。そうすると配管するメネジの相手に深くはいります。ただ深くし過ぎるとめ一杯締めこんでも緩いということがありますから、最初は浅くネジを切ってメネジへの入りこみを見ながら深くするのがよいでしょう。
ネジを切る為にはダイスのレバーを引いてチェザーをパイプにあてます。スイッチを入れてパイプを回転さ、ハンドルを左に力を加えながら� ��します。チェザーが2〜3山パイプに食いこむと後は自動的にネジを切ってくれます。規定の長さになるとパイプの右端がダイスのレバーを押し、チェザーの間隔が広がりネジ切りの作業は終了します。この間、チェザーには切断用の切削油がポンプで供給されます。
チェザーは長く使っていると切れが悪くなってきます。これはねじ切ったネジ山が刃こぼれを起こしたようになるのでわかります。このような状態のネジでいくら締めつけてもきちんと締まりませんし、配管を使い始めてから、水漏れ・エアー漏れ・蒸気漏れの原因となります。
チェザーは1〜4まで数字が掘り込まれています。この順番を守ってネジきりのチェザーのホルダーに取り付ける必要があります。1番より2番が、2番より3番がネジが深くなっています。ですからこの順序を守らないと歯がこぼれる原因になります。
ワンポイント(配管材料の名称)
配管をしようとすると材料を揃えなければなりません。しかし材料の名前がわからないと注文することも出来ません。形から代表的なエルボ・ソケット・チーズ・ニップルは覚えておきましょう。下の写真に示したものはすべてネジ込み継手です。同様の名称で溶接継手もあります。注文の際にははっきり区別しておきましょう。また口径は1/8→1/4(2/8)→3/8→1/2→3/4→1→1・1/4→1・1/2というように大きくなります。単位はインチですが、1/8インチのことを1分、3/8インチのことを3分というように使います。また塩ビ管では1インチの寸法を25Aというように呼びます。配管の口径を変更する時はブッシングやレジューサを使います。
また管の中� ��何を通すかで配管の材質は変わってきます。蒸気ですと、黒管と呼ばれる鋼管が使われますし、水ならば白管と呼ばれる鋼管を使います。水の中に塩素を含んだ上水道ならば鋼管の内側に樹脂をコーティングしたライニング鋼管を使います。
エルボ ソケット
異径ソケット(レジューサー)ニップル
チーズ ブッシング
プラグ(メクラ栓) キャップ(メクラ栓)
ユニオン
ワンポイント(シールテープの巻き方)
配管材料にネジを切って締めこんだだけでは、水漏れ・蒸気漏れの原因になります。ネジにシールテープを巻きつけてから締めこむことで漏れを防止出来ます。
シールテープの替わりにヘルメシールという嫌気性のシール材を使う方法もあります。ヘルメシールは灰色の粘度の高い液体状です。普通500ml程度の缶に入れられています。缶には刷毛のついた蓋がされています。特に蒸気配管のねじ込み部分には蒸気ヘルメを使用します。
シールテープの上手な巻き方を説明します。
シールテープはネジを締めこむ方向に巻いていきます。これはねじ込んだ際にテープがほどけない為です。やや引張り気味に巻いていきます。
巻き終わりは強く引っ張ってテープをちぎります。
ネジの谷に爪をあてて谷に沿わせます。これによりシールテープはネジの山と谷にしっかり食い込みます。
部分的にシールテープの切れている部分がありますが、この状態でもメネジに差し込んで締め付けてシールテープが解けることはありません。
ページの先頭に戻る
ジグソー
モーターの回転運動を往復運動に変えて、鋸刃をつけた電動のこです。丸刃の電動のこは角材を切断したり、ベニヤ板をまっすぐに切ったりするのに適していますが、ジグソーはそういった大まかな仕事にはあまり向いていません。プレカット合板を切断して本箱を作ったり、アクリル板を切断したりというちょっと細かい作業向きです。
モーターの回転数を可変出来る物もあります。またジグソーで直線を切る場合はガイドを取りつけるか、まっすぐな板をクランプなどで固定してその横を板に沿わせて切れば直線切りが上手にできます。
またベース板のセットビスを緩めるとべース板を斜めに傾けることが可能になります。そうすることで材料に対して角度をつけて切断できます。板を角度をつけ� �突き合わせるような場合に使えます。
パイプソー(レシプロソー・セイバーソー)
ジグソーは板を自在に切れるわけですが、丸いパイプを切断するにはノコ歯の長さがふそくしています。写真を見ての通り、ジグソーの4倍くらいの長さのノコ歯です。ですからそのままパイプを切断しようとすると刃の往復でかなり振動がするためしっかり支える必要があります。その為にパイプソーにチェーンのパイプ固定金具が付いているものもあります。チェーンレンチの要領でパイプを締めつけてパイプソーの歯を動かします。
また、歯の長さが長いということは厚さのある材料の切断も可能ということです。ですから、家の柱やALCの壁もこれを使えば比較的容易に切断できます。
ブレード(ジグソーの刃)
ジグソーはブレードという刃を取りかえる事でさまざまな切断が可能です。写真の上から曲線切り用・木工用・合板用・金工用である。この刃の長さから往復運動分の長さを引いた厚さの板は切断できるということです。曲線切り用は木工用に比較して刃の高さが低くカーブしやすいようになっています。木工用と合板用の刃の付け方は両歯ノコの縦びき用と横引き用の違いをイメージすると良いでしょう。つまり合板用の方が歯が細かくなっているということです。
メーカーによって取付方法が異なります。刃を購入する際には適用型式を参照して入手する注意が必要です。
ページの先頭に戻る
0 件のコメント:
コメントを投稿